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2011.08.03

商用写真

いなぶ まゆっこ(まゆっこクラブ)シルクスカーフ/ショール「いなぶの羽衣」~撮影の様子~(愛知県豊田市稲武地区)

私は、豊田市稲武地区(旧北設楽郡稲武町)出身です。

稲武の地においては、かつて養蚕業が盛んに行われていました。

私の母の実家(稲武地区内)でも、お蚕さんを飼っていたのを覚えています。2階の一角を蚕棚が占め、私は桑の葉を食むお蚕さんを眺めるのが何よりも好きでした。

…それも今となっては遠い昔。母の実家でも、私が物心ついたときには蚕棚が消えていました。昭和の佳き思い出となってしまったのです…。

そしてまた、旧稲武町全体でも、養蚕家は減少の一途。平成のはじめには数件を残すばかりとなってしまいました…。

そんな状況に危機感を募らせ、平成9年、有志が立ち上がります。「稲武地区を蚕の里に」をスローガンに掲げ、「まゆっこクラブ」という会を結成したのです。

あまり知られていない事なのですが、実は今上天皇の大嘗祭(天皇が即位の礼の後、初めて行う新嘗祭)に使われた「繒服」(にぎたえ:絹の布)を皇室に調進したという輝かしい実績を、稲武の養蚕家(献糸会)は持っているのです。

その伝統ある歴史を誇りに、日々養蚕と絹を用いた作品づくりに励む「(いなぶまゆっこ(まゆっこクラブ)」のメンバーさん達。

そしてこの度私が、その「まゆっこクラブ」の活動を紹介するホームページをお作りすることになりました。

「写真を中心に分かりやすいサイトにしたい!」、そんな想いをこめて、現在鋭意作成中。

ホームページでは、「まゆっこクラブ」の歴史やメンバー等を紹介すると共に、メンバー(作家)さんの愛情がつまった手作りシルク作品をたくさん紹介していくつもりです。

今回は、そのうちスカーフ/ショール部門(ブランド名「ブランド「いなぶの羽衣」)の撮影をしてきました。

いなぶまゆっこ(まゆっこクラブ) いなぶの羽衣

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撮影にあたっては、私はその場にある物をなるべく使うようにしています。

確かに専用のディスプレイ器材や小道具を購入して使えば、見栄えは良くなるかもしれませんが、コスト的には高くつきます。

依頼主様の経済的負担を少しでも減らす方法を追求したいと思うとと共に、依頼主様の手元にある物(時には雑然と置かれていいたりするもの)こそ作品との相性がいい、そんな事を考えながら撮影に臨んでいます。

今回まゆっこクラブの活動拠点をウロウロしていて、こんないい物(↓)を見つけました!

まゆっこクラブ いなぶの羽衣

トルソーです。

こんなピッタリの物が見つかるとは感激!

そこで早速、スカーフを巻いて撮影したのですが……

このいかり肩がいけません…。

どんな素敵なスカーフを巻いても、ごっついアメフト選手のように見えてしまいます(笑)。

…というわけで、両腕は外すことにしました。

次に決めるのが、撮影ポイントです。

撮影場所については、前々から古橋懐古館がいいなあ…と目をつけていました。

…お願いをして、今回特別に入らせていただきます。

情緒たっぷりの回廊があったので、そこをバックに撮ってみたら…

いなぶの羽衣 古橋懐古館

何だか背景がすっきりしません。

それで、代替案を考えた結果、窓際で自然光がふんだんに入るコンクリートの壁をバックにしてみることにしました。

まゆっこクラブ いなぶの羽衣

背景がすっきりした分、スカーフに目が行くようになり、いい感じ!

ここで撮影することにしました。

スカーフの質感をアピールするため、正面から引いて撮るスタンダードな構図ばかりでなく、寄って斜め撮りのカットも…。

シルクスカーフ いなぶまゆっこクラブ

いずれにしろ、作家さん達立会いの下、楽しく撮影させていただきました。

撮った写真を、ホームページ上でどんな風に見せたら訴求力が高まるのか…今後模索していきたいと思います。

…それにしても、今回の撮影場所とさせていただいた古橋懐古館。趣のある素晴らしい建物です。まゆっこクラブの活動場所と同じ敷地内にあります。

稲武 古橋懐古館

この懐古館にはフォトジェニックなアイテムがたくさんありますので、カメラに収め、是非ホームページ上で紹介したいと思います。

最後になりますが、このシルク作品のデザインアドバイスとブランディングマネジメントに、YUIクリエーションの斎藤さんが携わっていらっしゃいます。指導を受けたメンバーから、今後どんな作品が生まれるのか本当に楽しみです。

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